まさに惨劇(ゴーストランドの惨劇 感想)
こんにちはrioです。
外出自粛要請もあってなかなか家から出れずやることがない...
そんなあなたに家で観れるおすすめ映画を紹介します!!
今回紹介するのはこちらの映画、
「ゴーストランドの惨劇」
こちらの映画を紹介していきます。
去年話題になっていたホラー映画です。filmarksなどで高評価を得ている映画ですが果たしてどのような作品だったのか。
目次
作品紹介
監督 パスカル・ロジェ
「マーターズ」の監督さんです。
参考程度にRotten Tomatoesの評価を載せておきます。
批評家評価 56%
観客評価 56%
予告編
感想
まんまと騙された!!!!!!これは面白い、けど思わず目を背けたくなってしまう.....なかなか精神的にきた映画
注意
ここからの感想核心をつくネタバレはないですが全く情報を入れたくないという方はお気をつけください
あらすじです。
シングルマザーのポリーンと姉のヴェラと妹のベスが人里離れた叔母の家を相続しそこに引っ越します。妹は内気なホラー小説好き、姉は奔放な感じではあるものの現実思考な感じ。新居に引っ越した3人は到着してすぐ何者かに突然襲われてしまう。
一見あるある、どっかで観たような物語、と思うかも知れませんが物語の練られ方や描かれているものを観るにその辺のよくある映画と考えてしまうのはもったいない映画です。先に言っておきますがこの映画、絶対にネタバレなしの方が楽しめます。
なのでこの映画のネタバレを観るまで食らわないように頑張って生きてください。
あらすじ部分で述べましたがこの映画、主人公達別に悪いことしてないのに襲われてしまう、不条理系ホラー映画となっています。こう言われてみなさんなどんな映画を想像するでしょうか。「ファニーゲーム」とか想像しますか?
個人的には不条理ホラー映画と言われると本当に何もしてないし、むしろ仕事してただけで訳わかんない呪いで殺されてしまう「ジェーンドゥの解剖」を思い出します。おすすめなので是非観てみてはいかがでしょうか。
話を戻します。ただ生きてるだけでよくわからない輩から暴力を受ける不条理ホラーの今作ですが、この”よくわからない”部分こそこの映画の醍醐味と言えるでしょう。
私が観ていてこの映画にうまく作用していたいい意味での理解不能という恐怖だった要素を2つ挙げます。
一つ目は先ほどから述べているように主人公達に理不尽な暴力を与えるよくわからない輩です。こいつらの訳わからなさは本当に最後まで怖い。犯人は二人組なのですが一人はハゲの巨漢、もう一人は女装した細身のよくわからないやつ。この時点ですでにだいぶ意味不明な二人です。
ですが、もちろん人殴って襲いかかってる訳ですから訳わからないことには変わりないですが、彼らの行動が全くの規律なく動いているわけではない印象を受けます。というのも映画内で具体的に彼らがどのような人物か語られることはないですが、彼らの行動や映画の演出から何らかしらの意図、具体的にはわかりませんが、読み取れる、察することができてしまう、訳わからないながらも観ていて彼らの人間らしい部分が垣間見ることができます。そのおかげでこの意味不明で残虐な行為は決して怪奇現象や幽霊のものではなく同じ人間が行っているものだと受け止めさせられてしまいます。理解不能な部分に僅かながらの人間味を残すことでより恐怖を増幅させていたと思います。
二つ目ですが今作中盤で物語が大きく展開します。そこまでの流れが個人的にとても素晴らしかったと思います。というのも序盤不可解に感じて部分が中盤以降綺麗に回収されていく様は観ていて気持ちいいです。一見ただの怪奇現象、説明のつかない現象かと思いきや後々理解できるのでとても良かったです。
また、映画は基本主人公であるベスの視点で物語が進行していきます。ので、怪奇現象等も受けるのは主人公です。ただ、起こった現象に対しての主人公の行動に困惑することがあります。これらもしっかり理由があるのですが。中盤、物語が展開する前までのえ、どうして??と声を上げずにいられない所からの落とし方は見事でした。
ホラー演出ですが少し音驚かしが目立った部分もありましたが全体的に陰鬱な雰囲気が最初から漂い、物語のわからないという恐怖や映画内に散りばめられた小道具やキャラクターの見た目などが相まってホラー映画にとっていい味が出ていたのではないかと思います。
ここからネタバレを挟みますご注意ください
ではネタバレあり感想を述べます。
この映画は主人公であるベスの脳内の虚構と現実が入り乱れた作品となっています。中盤前あたりの入り乱れ方、とても素晴らしかったと思います。
個人的には「キングオブコメディ」を思い出しました。
ベスは頭の中で虚構を作り出しホラー小説家としての成功を常に想像しています。
最後のシーン、母親とタイプラーターが映されます。この部分から今回の物語はベスの描く「ゴーストランドの惨劇」という小説のネタとなったというようにこの物語を読み解くことができます。ただこの映画最初からベスの虚構に「ゴーストランドの惨劇」という作品が常に出てきます。彼女は現実で悲惨な目に遭いながら自分の身に起きていることを小説のネタにしそれを作品として世に出して売れることを夢見ていた、というように取れます。
一見ただ現実逃避しているように見えます。ただ、最後のシーンで自ら虚構ではなく現実に飛び出していくシーンがあります。
姉と妹の姉妹愛というようにとることも可能ですが、自分が頭の中で描いた虚構を虚構ではなく現実にしようとしている、ただ成功して承認欲求が満たされるのではない、彼女の心の奥底の創作欲の開放、というような意図がこの作品に含まれているのではないでしょうか。
一度抜け出せるかと思いきや結局つかまってしまい絶望してしまった後、彼女が崇拝していたラヴクラフトに自身の作品が認められるという虚構を作り出していました。そのシーンの直後に虚構から抜け出し現実世界に戻るところを観てよりこの作品の意図を強く感じました。
最終評価
皆様の映画を観る際の参考になればと思い誠に勝手ながら点数を付けさせていただくと
8/10
とても素晴らしいホラー映画でした。
なかなかこのご時世映画館にいくこともできないと思います。是非お家でこの映画を鑑賞してはいかがでしょうか。
「ゴーストランドの惨劇」を観た方におすすめの作品を下に貼っておきます。
以上です!!!!!ありがとうございます!!!!!!